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2019/04/22いつかblog

『いつか』全公演終了しました。

『いつか〜one fine day』無事に全15ステージ終了いたしました。
出演者、スタッフの皆様、そしてご来場いただいた観客の皆様、本当にありがとうございました。

シアタートラムは私が舞台公演というものを始めた頃から憧れていた会場で、その場所でconSept初のオリジナル・ミュージカルを上演出来たことは何よりの財産となりました。

作品を選んでテーマが見えた頃はただただ気持ちに動かされて原作監督のイ・ユンギさん、ミュージカル版脚本の板垣さんと打ち合わせをしたり議論することが楽しくて仕方ありませんでした。

徐々に全貌が見えてきて、桑原さんの楽曲が上がってくると、そこから先は良い意味で私の手を離れて出演者とともに作品が勝手に成長していく姿を横から眺めている日々でした。

こうして観客の皆様の前に生まれたオリジナル・ミュージカル。
恐らく皆様によって更にここから先の成長が始まっていくのだと思います。
この作品が今後もまだ愛されるのであれば、そしてconSeptがお届けする作品が皆さんにとって有意義だったのであれば、まだまだここはスタート地点に過ぎないのだと思いつつ、またお会いできる日を楽しみにしています。

conSept 代表 宋元燮

2019/04/03いつかblog

『いつか』通し稽古レポート

「いつもは小学校の教室みたいなのに、今日はシーンとしちゃって(笑)。やるときは、やるんだね」
 「いつか~one fine day」の出演者8人を前に、演出家の板垣恭一が緊張を解きほぐすようにジョークを飛ばしました。3月29日。この日は初めての通し稽古。これまで場面ごとに区切り細かく練習していたのをベースに、最初から最後まで一気にノンストップで演じてみる稽古です。いつもより少し早めに稽古場にやってきて、台本を見返したり、セリフをつぶやいたり、いつもよりも少し緊張気味のキャストたち。
「失敗しちゃったり、セリフ忘れちゃったりしても、気にしないでください。そういうことで、始めさせていただきまーす」という板垣の合図で通し稽古がスタートしました。

物語は「うつしおみ=現人」の曲から始まります。前奏が流れる中、腕時計を眺めるテル(藤岡正明、ヘッドフォンで音楽を聴くトモ(荒田至法)、傘をくるくる回すマドカ(佃井皆美)、そしてテルの横に立ち彼を見つめるテルの亡き妻マキ(入来茉里)……。

舞台は保険会社の廊下に移り、保険調査員のテルが、後輩タマキ(内海啓貴)の担当だった仕事を引き継ぐよう上司のクサナギ(小林タカ鹿)に命じられるシーンへ。交通事故で植物状態の女性エミ(皆本麻帆)の事故の原因を調べるという重苦しい案件に、気乗りしない表情で病院へ向かうテル。クセのある性格のエミの友人トモや、気が強くで心を開かないマドカに戸惑いつつ、仕事は膠着状態に。さらに会社に戻ると、中間管理職のクサナギに高圧的な態度を取られたり、後輩のタマキに振り回されたり。

妻を亡くして気落ちしたテルを演じる藤岡の陰のある演技が、見る人を引きこみます。と、同時にコミカルな要素もしっかりあるのが、板垣ならではの演出手法。病室で踊る粗削りなトモの歌、一癖ありそうなクサナギのニヒルな笑顔、タマキのイマドキの若者あるあるなセリフや行動が、時にくすっ、時にどっと笑いを誘います。

そして、酔ったテル(渾身の迷演技!)の前に、意識がないはずのエミが突然現れると、「行きたいところがある」というエミに振り回されつつも、閉ざされていたテルの心が徐々に変化していくのです。

エミの事故の陰にある、幼い頃に彼女を捨てた母親サオリ(和田清香)の存在。そして中盤からクライマックスにかけて次々と明かされていく、すべての登場人物が抱えるそれぞれの「生きづらさ」。それらが重なった時、全員で歌う表題曲「いつか」が稽古場に響くと、スタッフ一同ジーンとしながら聴き入りました。

初の通し稽古は、約2時間。動きや振付が加わり、板垣が「当て書き(俳優の個性に合わせてキャラクターを作ること)」をしたという脚本が、より立体的で、役者の個性が生き生きと輝くものとして可視化されてきました。

一回戦演じ切った役者たちの表情にも、充実感がにじみ出ていました。

 

 

藤岡:稽古でまだ試していない感情の線が自分の中で湧いてきたので、それをやってみました。見事に外したところもあったけど(笑)、課題が見えてきましたね。

皆本:流れに乗せられて「うーんっ!」って感じで、あっという間でした。一瞬でボロボロ泣いてしまいそうだった、感情を爆発しないように抑えつつ。面白かったです。第一歩です。

小林:もっとばたばたするかと思ったけど、うまくいってホットしています。場面転換の段取りもキャストがするのですが、スムーズにできたな、と。

荒田:通してやると、見えてくるものがたくさんありました。反省点も含めて。

内海:「あれも、これもできるんじゃないかな」って可能性が広がりました。抜き稽古では気づけなかったことだから、通してみて良かったです!

和田:通った、って感じ(笑)。芝居の組み立て事故みたいものも多発していたので、これから修正していきたいです。

入来:これまではテンション上げてやっていたけど、もっと普通にやってもいいのかな、って。もう一回作り直そうかな。頑張ります!

佃井:まだ、私の中では、チャレンジ、チャレンジ。アクションの部分も自分の中でマドカとリンクさせて、意味がある役作りをしたいと思っています。

初の通し稽古は自分を見つめ、全体を見つめ、試行錯誤が始まる第一歩。ここからさらに変化&進化して本番に臨みます。

文:桑畑優香

2019/04/02いつかblog

お祝い花、公式チケット等に関するアナウンス

◆お祝い花に関しまして
会場のロビーや楽屋が手狭となっているため、種類に関わらず本公演ではお祝い花をお断りさせていただきます。ご理解の上、ご協力いただけますと幸いです。

◆プレゼント・お手紙に関しまして

公演期間中、会場に「プレゼントお預かり」BOXを設置いたします。
お預かりしたプレゼント・お手紙はスタッフより出演者に届けさせていただきます。
尚、会場への郵送でのプレゼント送付はお受け取りできませんのでご注意ください。

生もののプレゼントは、施設内の品質維持が難しいため、お断りさせて頂きます。
また、主催者の判断によりお断りするものもございますので予めご了承下さい。
お客様のご理解、ご協力をお願い申し上げます。

◆公式チケットの受付について

conSeptショップでのチケット受付について、4月3日(水)0時の受付分より劇場での引換に切り替えさせていただきます。引き換えにつきましては「conSept公式引換窓口」にて下記のいずれかをご提示の上、引き換えてください。

1)スマホなどによるご注文受付確認メールの画面
2)ご注文受付確認メールのプリント

尚、conSeptショップから申し込まれた方には引き続き「いつか」シールを贈呈いたします。
但し、枚数に限りがあるため、在庫切れの際はご容赦ください。

2019/03/28いつかblog

『いつか』プレイベント・レポート

3月22日(金)19時30分、東京都内某所。抽選に当選したラッキーな50人(ほぼ98%女性!)で埋め尽くされたスペースは、イベント開始前から熱気があふれていました。

「いつか~one fine day」は新作ミュージカルであるがゆえに、ストーリーの詳細も、曲も、明かされるのはこの日が本邦初。8人の出演者と脚本・作詞・演出の板垣恭一、作曲・音楽監督の桑原まこが登場すると、大きな拍手が送られました。

男性は襟付きのシャツとジャケット、女性陣がワンピースなどでおめかしする中、一人赤いトレーナーで登壇した藤岡正明。
「ぶっちゃけて言っていいですか?みんなよそ行きですけど、僕だけ普段着で。今日は普段着のイベントにしましょう(笑)」というと、会場はぐっと和やかな雰囲気になりました。

今回の共演がほぼ初めて同士のキャストたち。お互いの印象を問われると、藤岡は「タカ鹿さんがあまり鹿じゃないので新鮮でした」と不思議発言。小林タカ鹿は「内海君の明るさやおバカ感が突き抜けた感じで、カワイイ」。内海啓貴は、「十代の頃、藤岡さんが歌っていた歌が課題曲で、藤岡さんの動画を100回ぐらい見てました。だから初めて会ったときはミーハー気分でうれしかったです。稽古場では耳をかじられて……」と意味深な言葉で笑わせ、和気あいあいとした稽古現場をアピールしました。

また、佃井皆美が親友役の皆本麻帆を「一度共演してみたいと思ってました。すごいかわいいから」と評すと、皆本は「二人で歌うシーンがあるんです。目を合わせて歌った最初の日に、皆美さんの目から涙があふれてきて……。いい作品になると思いました」と言いながら、すでに泣きそうな雰囲気に。そんな仲間について和田清香は、「基本的にすっごく良い人たちです。なかなかこんなにオープンになれる安全な人たちっていない。構えずになんでもできる現場なんです」と語った。

「原作の韓国映画『ワン・デイ 悲しみが消えるまで』を観た人いますか?」と板垣が会場に問うと、10人以上が手を挙げました。「映画と一番違うのは、群像劇に仕上げていて、それぞれのキャラクターの物語が同時進行していくということ」と、板垣。

続いて、キャストが自分の役と作品への想いについて、次のように語りました。

荒田至法「ゲイでストリートミュージシャンという、周りにはあまりいないキャラクターです。マイノリティーの部分を抱えていて、その傷を誰よりも理解する人間でありたいと思いながらやっています」
内海「平成は終わるけど、平成の若者みたいな感じを作ってます。素直にわからないことはわからないと先輩に言うとか。内海がサラリーマンだったらこんな風かな、っていうのが描かれてます」
小林「僕の役は中間管理職で、板挟みになりながら問題を解決するプレッシャーをガンガン与えていく。僕にもドラマがあるのを台本に描いてもらってうれしかったです」
入来「夫が死んだ妻を心の中で引きずってしまうような、いいパートナーでありたいと思いながらやっています」
藤岡「人生において誰しもが逃げたくなったり、足踏みを続けたり、そういう時ってあると思う。僕が演じるテルは、たぶん自分がイケていないというのを肯定して、弱虫になって逃げている状態。しかし、妻の死やエミとの出会いで生き抜いていくんです。人間の弱い部分を出す。劇場で共感してもらえると思います」
皆本「目が不自由で、植物状態になってしまった女性です。でも、テルに出会って、いろんなことができるようになる。それがすごく幸せだな、って」
佃井「妹のような存在の人が交通事故に遭う役で、大切に思っている人に何をしてあげられるのだろうって考えながらやっています。一つの答えが届けれたらという思いで稽古に臨んでいます」
和田「シチュエーションは激しめだけど、実際に通常生きている半径5メートル以内の話をしていると思いながらやっています。みなさんもいろんなバックボーンがあるなかで生きているので、きっと共感ポイントがあると思います」

トークの後は、作品の中から「うつしおみ=現人」と「いつか」を生で初披露しました。ピアノの伴奏が流れると、会場は一気に「いつか」の世界へ。藤岡が静かに歌い始め、8人全員の声が重なる力強いコーラスへ。客席ではすすり泣く人も少なくありませんでした。

「社会派エンターテインメントをやりたいんです。お客さんが食べやすい味を大切にしつつ、そこに社会派の要素を入れたい。映画『グリーンブック』が黒人差別を、『ボヘミアン・ラプソディ』がゲイの話を描くように。差別や貧困は日本にずっとあったはずだけど、高度成長の中でメジャーなエンタメは触れないことになっていた。それが崩れてきたときに差別がむき出しになってきて。シアターが扱わないのはダメなんじゃないかという危機感があるんです。僕たちがやりたいのは、日本の今を舞台にしたミュージカル。現代のような、架空の設定ともいえます」(板垣)

終了後、SNSには、「命とか、重いテーマだけど観劇しながら色々考える時間になるのかもって、オープニングの歌を聞いただけで涙」「社会派エンターテイメント!演出さん演者さんのトークを聞いただけで、この作品は絶対に観なくてはならない!何かあるにちがいない!と感じる。素晴らしい生歌が聴けた」「あぁー早くみたい。歌がとにかく素敵だった。泣く。これはもう全通しますよ」という感想が続々とアップされました。

板垣曰く、「エンタメなので、いろいろな反射をするように、稽古をしています」。
4月11日からの公演に、ご期待ください!

文:桑畑優香

  • いつか〜one fine day 公式サイト https://www.consept-s.com/itsuka/
  • 2019/03/22いつかblog

    『いつか』顔合わせ、本読みレポート

    3月11日、午後。都内の稽古場に入るとパリッと引き締まった空気が感じられました。
    「いつか〜 one fine day」顔合わせ。集まったのは、8人の役者、脚本・作詞・演出を務める板垣恭一、作曲・音楽監督の桑原まこ、そして美術、照明、音響、衣裳、舞台監督などスタッフ一同、さらに役者の事務所関係者まで、総勢約30名。
    「よろしくお願いします!」ひとり一人が立って一言ずつ挨拶をすると、そのたびに拍手が起きました。

    全員の前で板垣が開口一番で説いたのは、「面白いお芝居にしたい」ということ。
    「面白いとは観客の心を動かすこと。それは笑わせることかもしれないし、イラっとさせることかもしれないし、『かっけー!』と思わせることかもしれない。それで大量得点を取りたいんです。サッカーに例えれば、失点を恐れず大量得点を取ってほしい。150点ぐらい失点してもいいから、600点ぐらい取ってほしい」

    もともと演出家の板垣が、脚本・作詞まで担当してクレジットに名前を載せるのは初めて。
    「このメンバーで勝ちたい。ピッチで戦うのはみなさんです」と、役者たちにエールを送りました。また、テーマについては「エンタメと社会派を合体させた、社会派エンタメ。貧困、女性、ゲイ、そして死の問題について自分なりに描いたつもり」と語り「行き詰っている人が、せめて明日を生きてみようと思える作品に」と抱負を明かしました。

    続いて、初の歌入り読み合わせのスタートです。
    桑原まこが弾くピアノのメロディーが流れる中、半円形に並べたテーブルに座った役者たちが、真剣な面持ちで楽譜とにらめっこ。台本の冒頭からセリフを読み、ピアノに合わせて歌い進め、役者とスタッフ、それぞれの心の中で場面が浮かびキャラクターが動き始める。
    台本に命が吹き込まれていく瞬間です。

    ほろ酔い気分のテルを演じる藤岡正明の演技があまりにリアルで一同大爆笑したり、クサナギ役の小林タカ鹿が、すでに表情まで中間管理職風になりきっていたり、エミの母親役の和田清香のセリフが、30代初めとは思えない貫禄だったり。

    本読みが終わった後、最後までじっと聞いていた板垣は、「つなげていくとどんな風になるか楽しみだね」と笑顔に。「テルは会社に対して価値を見失っている人物。会社にぶら下がっているけれど、足場がないように見えるといいかな」など、キャラクターの解釈について役者からの質問を受け止めつつ、台本を読み解く白熱教室が続きました。

    「みんなで一緒にだべりましょう。みんなも思うところあったら、言ってください」
    セリフだけで演じた読み合わせは、いわば二次元のお芝居。翌日から始まる立ち稽古で、どんな立体感が生まれるのか、期待が高まる初日の稽古でした。

    文:桑畑優香

  • いつか〜one fine day 公式サイト https://www.consept-s.com/itsuka/
  • 2019/03/20いつかblog

    原作映画『One Day』のイ・ユンギ監督来日決定!

    新作ミュージカル『いつか〜one fine day』の原作となる映画『ワン・デイ 悲しみが消えるまで』(キム・ナムギル/チョン・ウヒ主演)を手掛けたイ・ユンギ監督が、ミュージカルの初日に合わせて来日することが決定しました!

    これを記念して、4月12日(金)19:00公演終了後、アフタートークを開催することとなりました。
    登壇するのはイ・ユンギ監督、ミュージカル版の脚本・作詞・演出を務める板垣恭一、主演の藤岡正明、皆本麻帆の4名。
    イ監督は日常のささいな情景や女性の心理を細やかに描くことで定評があり、日本でも『チャーミング・ガール』や『素晴らしい一日』などで好評を得ています。
    お時間のある方は是非4月12日公園にご来場ください!
    来日に当たってイ監督からコメントが届いています。

    【イ・ユンギ監督からのコメント】
    本公演の原作である韓国映画『ワン・デイ 悲しみが消えるまで』を監督したイ・ユンギです。
    この公演のお陰で日本を訪問することができとても嬉しく感じています。
    日本にはよく行く方ですが、それは私が手掛けたほとんどの映画が何かしらの形で日本で上映されてきたからでもあります。
    だから日本の観客の皆さんに対する想いもひとしおです。
    素晴らしい公演になることを心から願っています。

    イ・ユンギ監督

     

    【イ・ユンギ監督プロフィール】
    初長編作『チャーミング・ガール』で釜山国際映画祭のニューカレンツ賞を受賞し、サンダンス映画祭のコンペティション部門など多数の海外映画際に招待され注目を集めた。その後カルロヴィ・ヴァリ国際映画祭コンペティション部門でお披露目した『ラブトーク』や『アドリブ・ナイト』を通して女性の内面と心理を繊細に描き続け、別れたカップルの奇妙な再会を描いた『素晴らしい一日』ではペクサン芸術大賞監督賞を受賞した。更に『チャーミング・ガール』『アドリブ・ ナイト』『素晴らしい一日』で3度ベルリン国際映画祭のパノラマ部門などに招待され、『愛してる、愛してない』ではコンペティション部門に参加したことで名実ともにベルリンが注目する映画監督であることを証明した。以降も『男と女』『ワン・デイ 悲しみが消えるまで』などの作品を通して彼独特の映像世界を描き続けている。

     

    2019/03/18いつかblog

    『いつか』ダイアローグ・イン・ザ・ダークによるワークショップ参加レポート

    出演者8名、演出の板垣さん、振付の下司さん、公式ライターの桑畑さんが参加

    「さあ、ここからは暗闇に入ります! 目が慣れることもないくらいの、本当に真っ暗な世界です」
     2人のスタッフにアテンドされて、白い杖を頼りに恐るおそる歩み出る『いつか〜one fine day』のキャスト8人、そして演出の板垣恭一と振り付けの下司尚実。分厚いカーテンをくぐると、そこには深く広い闇が広がっていました。

    3月5日、初の歌唱稽古を終えた翌日。参加したのは、「ダイアログ・イン・ザ・ダーク」というワークショップです。「~暗闇の中の対話~目以外のなにかで、ものを見たことがありますか?」というコンセプトのもと、参加者は光を完全に遮断した広い空間の中へ。暗闇のエキスパートである視覚障がい者のスタッフに導かれながら、グループで様々なシーンを体験するというものです。1988年にドイツの哲学者が考案し、これまで41か国で開催。日本では1999年以降、東京と大阪で開催され、コミュニケーションのありかたについて考える機会として、企業の研修などにも活用されてきました。

     今回『いつか』の出演者と制作者が「ダイアログ・イン・ザ・ダーク」を体験をすることにしたのは、プロデューサーの宋元燮の発案です。目的の一つは、ヒロインのエミが、目が不自由な人だという設定であるため、闇に生きる感覚を経験してみること。そして、もう一つは、宋自身がかつて同ワークショップに参加したことから生まれた、ある思いからでした。
    「自分が感じたことをどう表現するのか、何を見せようとするのか。暗闇を体験して、少しクリアになったことがあるんです。だから、役者も『ダイアログ・イン・ザ・ダーク』をやってみたら、ひとつ扉が開くかもしれないな、と」

     真っ暗な世界で、視覚以外の感覚を使って感じ、声を掛け合い、話し合うこと約2時間。アテンドスタッフに導かれながら、再び光あふれる部屋に戻ってきたみんなは、すっかり明るい笑顔になっていました。

    「本当に暗いのはダメで、手汗をかいた」(荒田至法)、「すごい泣きそうになった」(佃井皆美)と、闇の中で意外な素顔が見えた人もいれば、「音が染みるというのを感じた」(皆本麻帆)、「声から表情を想像して、普段使わないところが活性化された」(内海啓貴)と初めての感覚を語る人も。

    また、「誰の顔色もうかがうことなく、自由に発言できた。見られることを考えないのが楽だった」(小林タカ鹿)、「建前を作ることなく開いている自分がいた」(和田清香)と、暗闇で心を開放することができたという感想もありました。

    そんななか、みんなが共通したのは、お互いの距離の変化でした。
    藤岡正明が「芝居で一緒になると、ちゃんとしなきゃって構えるところがあるけど、いきなりお互いがぐっと近づいた感じがする」と言うと、入来茉里は「みんなのこと、すごい好きになった!」

    ほぼ初めましてだった8人の役者たちの心が一つになると同時に、個性を開け放つきっかけとなった「ダイアログ・イン・ザ・ダーク」。この暗闇での体験は、芝居にどんな化学反応を起こすのでしょうか――。

    文:桑畑優香

      暗闇の中で参加者によって『いつか』をイメージして作られた粘土細工

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    2019/02/26いつかblog

    『いつか』50名様限定参加の無料プレイベント開催決定!! 


    『いつか〜one fine day』開幕まであと45日!
    本作品は新作ミュージカルであるため、どんな作品なのか、どんな音楽なのか、どこを調べても情報がありませんよね?
    そんなもどかしさを少しでも解消するために楽曲のお披露目と作品の内容に関するトークを兼ねたプレイベントを開催する運びとなりました👏
    題して、『いつか〜one fine day:プレイベント〜トーク&ソング』。開催日は3月22日(金)19時より東京都内。

    参加費は無料ですが、応募は公式からチケットを購入された方に限定させていただきます。
    抽選先行でも一般でも、手元に「シール」が届いている方ならどなたでも応募可能です。
    写真のように「叶えたい願い」を書いて、ハッシュタグ「#いつか」「#one_fine_day」でSNSに投稿してください。
    抽選で50名様をプレイベントにご招待いたします。
    皆さんのご応募、お待ちしています!

    【イベント詳細】
    ■タイトル:『いつか〜one fine day:プレイベント〜トーク&ソング』
    ■開催日:2019年3月22日(金)19時
    ■会場:東京都内(当選者にのみご案内)
    ■参加費:無料
    ■出演:『いつか〜one fine day』出演者全員&演出家・板垣恭一

    【応募詳細】
    ■応募対象者:
    ①『いつか〜one fine day』公式からチケットをご購入の方
    ■応募方法:チケットと一緒にお届けするシールに「叶えたい願い」を書いてハッシュタグ「#いつか」または「#one_fine_day」をつけて投稿
    ②conSeptのアカウントをフォロー(ご当選者への連絡のため) Instagram、Twitter いずれも@consept2017
    ■応募決め切り:2019年3月8日(金)
    ■当選発表:2019年3月10日(日)当選者にのみDMにてご連絡いたします。

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  • 2019/02/12いつかblog

    『いつか』PV撮影インタビュー:和田清香さん(榎本サオリ役)


    エミを捨てた母の榎本サオリを演じるのは、和田清香さんです。実は、エミ役の皆本麻帆さんとは4歳しか離れていない和田さん。どんな母親像を心に描きつつ役に挑んでいるのでしょうか。

    ――PV撮影時に意識したことは。
    私が知っている「お母さん」は、うちの母親しかいないので、自分の母のことを考えていました。ただ、うちの母は私のことを捨ててはいないので……(笑)。

    ――和田さんのお母さんはどんな方ですか。
    三歩下がるような、私とは正反対でおとなしくて、天然で優しくていつも笑顔。お母さんってコーヒー飲むときはどんな感じなのか考えながら演じていました。黙っていても自分の母に似てくるんでしょうけどね(笑)。

    実際の自分はまだ母親じゃないっていうのもありますし、娘役の皆本麻帆さんとはわずか4歳違いで全然娘としては考えられない年齢差なんです。でもそこは意識せずに、私が育てられた時のことを思い出しつつ、一番身近な自分の母から母親像を探せればと思います。

    ――役柄の紹介文を読むと、「恋多き人生」「ダメンズ好き」って書いてありますけど。
    ダメンズ好きなんですね! えー、意外(笑)。全然違いますね。私の母とは正反対ですね(笑)。

    設定も大事ですが、台本を読んだときに自分がどう感じるのかというのをまず持っていたいと思います。役柄と自分との共通点を探していかないと落とし込めない。だから共通点を探るところから始まっていくのかな、と。

    ――作品に惹かれた理由を教えてください。
    演出家の板垣恭一さんと演劇セミナーで初めて仕事をさせていただいたんですが、火に油を注いでくださるというか、エンジンをたくさんかけてくださるという印象があって、稽古が楽しそうだなと思いました。飛び込んでも大丈夫だよ、と背中を押してくれるところがあるので、安心してやってみたいなと。冒険してやってくださいというタイプの演出家さんなので、楽しみです。

    ――原作の韓国映画はご覧になりました?
    はい。あの作品にどんなふうに曲が入るのか、楽しみです。結構繊細なシーンもあるので、そこをどう変えていけるのかなと。

    ――沖縄アクターズスクールの出身ですが、歌からキャリアを始めた和田さんが感じるミュージカルの面白さとは?
    アクターズスクールは歌を歌うにしてもダンスを踊るにしても役作りが求められた学校だったので、そんなにかけ離れたことをしているというイメージはないんです。10歳ぐらいから始めたのですが、ずっと同じことをしているという感じがしています。ただ、演出家さんや共演者さんとの出会いによって、いろいろ変わってきていると思います。

    ――共演者のみなさんと顔合わせをした印象は、いかがでしたか。
    みなさん気さくでしゃべりやすくていいなって思いました。少人数のカンパニーのいいところですよね。まとまっていけるか、構えずにダーンと開いていけるかが大切だと思います。

    ――PV撮影の待ち時間に和田さんが笑顔の中心にいらっしゃって、ムードメーカー的な印象を受けました。
    私、女性のキャストで最年長なんですよ。なんか、「お母さん」とも呼ばれそうなので、ちょっとおいおいって感じなんですけど(笑)。がんばりたいと思っています。これまでも子どもがいる役をやったことはありますけど、赤ちゃんだったので。成長した娘の母親の気持ちは、想像つかないです。いやあ、一つの挑戦ですね。

    ――作品に向き合う気持ちを教えてください。
    こう見てほしいとか思わずに、舞台に上がっています。結局幕が開いてしまったら、お客さんが見たいようにご覧になると思うので。真摯にしっかり役と向き合って、このカンパニーの色みたいなものが見いだせればいいと思っています。キャストの8人がどんな色を出していくのか。作品の持ち味みたいなものがしっかり出せるように探していけたらな、と思っています。

    文:桑畑優香 / 撮影:安藤毅

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  • 2019/02/08いつかblog

    『いつか』PV撮影インタビュー:内海啓貴さん(タマキ豊役)


    テルの後輩のタマキ豊を演じるのは、「タマキは自分に似ているような気がする」という内海啓貴さんです。自らとの共通点、そしてどんな風に演じていきたいのかについて語ってくれました。

    ――PV撮影はいかがでしたか?
    楽しかったです。タマキくんが電車で通勤するシーンを撮りました。すごく自由人な役だと聞いたので、ちょっと微笑を浮かべた感じで。都電を貸切って撮ったんですよ。僕だけなんかスペシャルな撮影で、すみません(笑)

    ――タマキという役をどのように解釈していますか。
    後輩らしさを出せればいいなと。後輩らしさって、知らないことを先輩に聞くとか、そんな素直さなのかなって僕の中では思ってます。素直で愛嬌がある、自由人というイメージ。登場人物紹介には、「ロマンチスト」とも書いてありますね。

    ――タマキとご自身は似ていると思いますか?
    似ていると思います、たぶん。自分に寄せて作ったら面白いのかな、って。僕も二歳上に兄貴がいて、もともと後輩体質なんです。わりと素で入れるかなと考えています。

    ――本作に出演しようと思ったきっかけは?
    韓国の映画をもとにした作品だということに惹かれました。さらに藤岡正明さんをはじめ、ミュージカルで活躍されている方々と一緒にできるので、やってみたいという気持ちが強くなりました。conSeptが制作している舞台を観劇させていただいて楽しかったことも大きな理由です。

    ――シアタートラムで演じるミュージカルの面白さとは?
    この間、劇場へ観に行って、すごくお客さんとの距離が近いと感じました。客席の奥まで歌も表情も届く。歌を通して空間を一つにしやすそうだと感じていて、内面的な部分ももっとわかりやすく表現できそうな気がします。僕はこれぐらいの大きさの劇場でやったことがないので、すごく楽しみです。

    キャストも8人しかいないので、きっと自分の役割があると思います。みんなで一緒に作り上げていきたいですね。劇場の空間を生かした演出をいただいて、自分らしく立てればいいなと思っています。

    ――この作品で得たいものとは。
    他の俳優の方のスキルとかも盗みたいな、って。一番年下で、みなさんのほうが経歴が僕よりも長いので、何か月も一緒にいる間に拝見して学びたいなと思っています。見に来てくださった方の心に残るような作品にしたいです。

    ――本当に発言も弟キャラですね。ちなみに、内海さんもタマキのようにロマンチスト?
    ロマンチストだと思います。星が好きで、高校の時に天文学基礎っていう科目を取ったんですけど……全然身についてないんですよ(笑)。あ、このオチで、インタビューまとまっちゃいましたね(笑)。

    文:桑畑優香 / 撮影:安藤毅

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